「公演」と「講演」はどう違う？言葉の意味と正しい使い分け方！

「公演」と「講演」はどちらも「こうえん」と読むため、混同しやすい言葉ですね。

しかし、それぞれの意味や使われる場面は微妙に異なります。

例えば、有名な劇団のパフォーマンスは「公演」と呼ばれますが、有名人がスピーチを行う場合は「講演」と言います。

このように、場面によって適切な言葉を選ぶ必要があります。

この記事では「公演」と「講演」の意味の違いを分かりやすく解説し、正しい使い分け方を紹介します。

「公演」と「講演」の基本的な意味

「公演」と「講演」はどちらも「こうえん」と読みますが、意味や使い方は異なります。

まずは、それぞれの正しい意味を確認していきましょう。

「公演」とは？意味と使い方

「公演」とは、演劇や音楽、舞踊などのパフォーマンスを一般の観客に向けて披露することを指します。

劇団やオーケストラ、ダンスカンパニーなどが開催するイベントが「公演」に該当します。

このように「公演」は主にエンターテイメントや芸術に関連する場面で使われます。

「講演」とは？意味と使い方

「講演」とは、専門家や著名人が、特定のテーマについて聴衆に向けて話をすることを指します。

大学の教授による講義や、著名なビジネスパーソンによるセミナーなどが「講演」に該当します。

「講演」は、情報を伝える目的で話をする場面で使われます。

辞書での定義を比較

辞書でも「公演」と「講演」は明確に区別されています。

• 公演

  劇・音楽・舞踊などを人々に見せること。（出典：広辞苑）

• 講演

  ある事柄について大勢の前で話をすること。（出典：広辞苑）

このように「公演」は舞台や音楽などのパフォーマンス、「講演」はスピーチや講義という違いがあることが分かります。

「公演」と「講演」の違いを分かりやすく解説

「公演」と「講演」は、どちらも多くの人の前で行われるイベントですが、いくつかの明確な違いがあります。

ここでは、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

主な違いは「内容」と「目的」

「公演」と「講演」の最大の違いは、その内容と目的にあります。

公演は、演劇・音楽・ダンスなどの芸術やエンターテイメントを披露することを目的としています。

観客はパフォーマンスを楽しむことが主な目的です。

講演は、スピーチや講義などを通じて情報を伝えたり、知識を深めたりすることが目的です。

聴衆は話の内容から学びを得ることが期待されます。

例えば、ミュージカル俳優が舞台で演技を披露するのは「公演」ですが、有名なビジネスリーダーが経営戦略について語るのは「講演」です。

使用される場面の違い

「公演」と「講演」は、それぞれ使われるシチュエーションが異なります。

• 公演

  演劇、コンサート、バレエ、オペラ、ミュージカルなど

• 講演

  学会、セミナー、ビジネスカンファレンス、大学の特別講義など

このように、「公演」は舞台やコンサートホールで行われることが多く、「講演」は会議室やホール、大学の講堂などで行われることが一般的です。

実際の例文で確認

実際の例文を見て、それぞれの違いを確認してみましょう。

 
このように、「公演」は舞台やパフォーマンスに関連し、「講演」は話をすることに関連していると覚えておくと、使い分けがスムーズになります。

「公演」と「講演」の正しい使い分け方

「公演」と「講演」の意味や違いを理解したところで、実際の場面でどのように使い分ければよいのかを詳しく解説します。

どんなときに「公演」を使う？

「公演」は、演劇・音楽・舞踊などの芸術的なパフォーマンスを披露する場面で使います。以下のような状況では「公演」が適切です。

• 劇団やオーケストラ、ダンスグループなどが観客の前で演じるとき
• コンサートやライブ、オペラ、ミュージカルなどの舞台公演
• 定期的に開催される音楽や舞台のパフォーマンス

「公演」の例文

• 「劇団四季の新作ミュージカルの公演を観に行く」
• 「有名なバレエ団が日本で公演を行うことになった」
• 「昨日のオーケストラの公演は素晴らしかった」

どんなときに「講演」を使う？

「講演」は、特定のテーマについて話をする場面で使います。以下のような場合には「講演」が適切です。

• 専門家や著名人が聴衆に向けてスピーチをする場合
• 学術的な発表、ビジネスセミナー、企業の研修などで話をするとき
• 講義や講習のように、知識を伝える目的がある場合

「講演」の例文

• 「有名な経済学者が「未来の金融市場」について講演を行った」
• 「企業の人事部が社員向けにキャリア形成についての講演を開いた」
• 「作家が新刊の発売を記念して全国で講演を行う予定だ」

間違えやすいケースと注意点

「公演」と「講演」は発音が同じため、間違えやすいですが、以下のポイントを意識すると正しく使い分けられます。

「公演」なのに「講演」と言ってしまうケース

• 誤:「昨日のオペラの講演はとても感動した。」
• 正:「昨日のオペラの公演はとても感動した。」（オペラは芸術の披露なので「公演」が正しい）

「講演」なのに「公演」と言ってしまうケース

• 誤:「著名な経営者が成功の秘訣について公演を行った。」
• 正:「著名な経営者が成功の秘訣について講演を行った。」（スピーチなので「講演」が正しい）

このように、「芸術のパフォーマンス」なら公演、「スピーチや講義」なら講演と覚えておくと、間違えることがなくなります。

「公演」と「講演」まとめ

「公演」と「講演」は、どちらも「こうえん」と読みますが、その意味や使い方は大きく異なります。

「公演」は、演劇・音楽・舞踊などのパフォーマンスを観客に披露することを指します。

劇団やオーケストラ、バレエ団などの活動に関連する言葉です。

「講演」は、特定のテーマについて専門家や著名人が聴衆に向けて話をすることを指します。

学会やビジネスセミナー、企業研修などの場面で使われます。

• 「公演」

  エンターテイメントや芸術関連のイベント→（例：バレエ公演、オペラ公演、ミュージカル公演）

• 「講演」

  知識を伝えるスピーチや講義→（例：経営者の講演、学会での講演、教育講演会）

発音が同じなので混同しやすいですが「公演＝パフォーマンス」「講演＝スピーチ」と覚えておけば、正しく使い分けられます。

これで、もう「公演」と「講演」の違いに迷うことはありませんね。