
「効く」と「利く」はどちらも「きく」と読む漢字ですが、正しく使い分けられていますか?
たとえば「この薬はよく効く」と言いますが「このアドバイスはよく利く」とも言います。
同じ「きく」でも、意味や使い方に違いがあるため、間違えると違和感を与えてしまうことも。
本記事では「効く」と「利く」の意味の違いや使い分けのポイントを、例文を交えて分かりやすく解説します。
これを読めば、迷わず正しく使いこなせるようになりますよ!
「効く」と「利く」の基本的な意味
「効く」と「利く」は、どちらも「きく」と読む漢字ですが、意味に違いがあります。それぞれの定義を理解すると、使い分けがしやすくなります。
「効く」の意味とは?
「効く」は「効果が現れる」「作用する」といった意味を持つ言葉です。主に薬や治療、技術などの分野で使われます。
「この薬は風邪によく効く」
「彼のアドバイスが効いて成績が上がった」
「クーラーが効いていて涼しい」
このように、「効く」は 物理的・科学的な効果が現れる 場合に使われることが多いです。
「利く」の意味とは?
「利く」は、「機能する」「能力が十分に働く」という意味を持ちます。
主に道具や身体の機能、知識などについて使われることが一般的でしょう。
「彼は頭の回転が利く」
「このハサミはよく利くので、紙が切りやすい」
「寒さに強い体質が利いて冬でも元気だ」
このように、「利く」は 能力や機能が発揮される 場合に用いられます。
二つの言葉の違いを比較
- 「効く」= 効果が現れる(薬・治療・技術など)
- 「利く」= 機能が働く(道具・身体・知識など)
似ているようで異なるこの2つの言葉。次は、それぞれの具体的な使い分けについて詳しく解説します。
「効く」と「利く」の使い分け
「効く」と「利く」は、どちらも「きく」と読みますが、意味や使い方には明確な違いがあります。
ここでは、具体的なシチュエーションごとに正しい使い分けを解説します。
薬・効果に関する場合
「効く」は、薬や治療、対策などに対して使われ「何かが効果を発揮する」ことを意味します。
「風邪薬が効いたので体調が良くなった」
「この湿布は肩こりに効く」
「適度な運動はストレス解消に効く」
「利く」はこの場合には使われません。
「風邪薬が利く」とは言わないので注意しましょう。
能力や機能に関する場合
「利く」は、道具や身体の機能、知識や判断力などが「十分に働く」ことを表します。
「この包丁はよく利くので料理がしやすい」
「彼は頭の回転が利くので仕事が速い」
「寒さに強い体質が利いて薄着で過ごせる」
一方「効く」はこの意味では使われません。
「この包丁はよく効く」とは言わないので、間違えないようにしましょう。
日常での具体的な使い方
日常的にも「効く」と「利く」の違いがわかる例がたくさんあります。
例えば、以下のような表現が正しく使われています。
「効く」を使う場合
- 「このエアコン、冷房がよく効くね」
(冷房の効果がしっかりある) - 「先生のアドバイスが効いて、試験に合格できた」
(アドバイスの効果があった)
「利く」を使う場合
- 「このボタンはまだ利いてる?」
(ボタンの機能がちゃんと働いているか) - 「彼は気が利くね」
(細かい気配りができる)
このように、意味や使いどころを理解すると、自然に正しい使い方ができるようになります。
間違えやすい「効く」と「利く」の例
「効く」と「利く」は似ているため、間違って使われることも少なくありません。
ここでは、誤用しやすいケースと、正しい使い方を紹介します。
誤用しやすいケース
以下のような文章は、間違った使い方になっています。
- × この薬は頭痛に利く。
(「利く」ではなく「効く」が正しい)
- × このメガネはブルーライトカットが効く。
(「効く」ではなく「利く」が正しい)
- × 彼のジョークは全然利かない。
(「利かない」ではなく「効かない」が正しい)
このように「効く」は効果を表す言葉「利く」は機能を表す言葉 という原則を意識すると、間違えにくくなります。
正しい表現と例文
間違えやすい表現を正しく直すと、以下のようになります。
- この薬は頭痛に効く。(薬の効果)
- このメガネはブルーライトカットが利く。(メガネの機能)
- 彼のジョークは全然効かない。(冗談の効果)
「効く」と「利く」まとめ
「効く」と「利く」はどちらも「きく」と読みますが、意味や使い方に違いがあります。
(薬・治療・対策など)
(道具・身体・知識など)
例えば「薬が効く」は正しい表現ですが「包丁が利く」と使うのが適切。
このように、それぞれの意味を理解しておけば、迷うことなく正しく使い分けることができます。
文章を書く際に、ぜひ今回のポイントを意識して使ってみてください。