覚えると憶えるの違いと使い分け方

「おぼえる」という言葉にはいくつかの意味が含まれています。通常は「覚える」を使用することでOKですが、時には「憶える」を使うことでより深い感情を表現できることがあります。

ここでは「覚える」と「憶える」の違い、および使い分けについて説明します。

覚えるの意味や使い方

「覚える」は、情報を記憶する行為を指します。

他にも「身につける・習得する」といった意味や、「感じる」という側面も存在します。また「思われる」という意味で、やや古風な表現としても使われます。

「おぼえる」といえば「覚える」で大体賄えるほど多数の意味があり、常用漢字表には「覚える」はありますが「憶える」は無いことから、ほとんどの場合は「覚える」で大丈夫です。

憶えるの意味や使い方

「憶える」もまた、情報を記憶するという意味で使用されます。

ただし「憶える」には、「身につける・習得する」や「感じる」といった意味は含まれていません。

「憶える」は主に目や耳にしたことや学んだことを忘れがたいものとして心に留める、一言で言うと「思い出」を表現するときなどに使います。

また「憶える」の「憶」は、「りっしんべん(心)」に「意」と書きますね。つまり、感情を表現する場合には「憶える」のほうがふさわしいこともあります。「覚える」よりも「憶える」のほうが、心のより深い部分に刻み込むというニュアンスになります。

例えば「あの日、君と見た美しい景色は今でも憶えている」とした場合「覚えている」だと「記憶にはある」という感じですが「憶えている」だと「心に残っている」というニュアンスが伝わりますね。

まとめ

「憶える」と「覚える」は、基本的には「記憶する」という意味で共通しています。ただし「覚える」には他にも多岐にわたる用法があり、一方の「憶える」はその意味に特化しているという違いがあります。

また「憶」に対して「おぼえる」という読みが常用漢字表にないため、公式な文書では使用できないという点も「覚える」との違いとなります。